古本 フリマ 散歩


by souslecieldetokyo
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100円本!

文学賞メッタ斬り! 豊崎由美・大森望

 豊崎さんのブックレビューは見かけるたび(良くもそんなに本が読めるなと)感心して読むようにしているので。文学賞云々、より選者云々、を面白く読んだ。特に渡辺淳一や石原慎太郎なんかに対しよくもああまでケチョンと云えるな、と。
 読むにつけ、自分なんか読書の“ど”の字もしていないんじゃないか、という気にさせられるくらい、たくさんの候補作、受賞作、その他の作品が登場してきて、めくるめく(?)文学界の内情、群像劇、勉強になった。
 最後の対談の第130回直木賞のところで京極夏彦がシリーズ三作目の「後巷説百物語」で取ったとあって、ちょっと気になって実家に帰ったとき上の兄に貸してと頼んだが、違うシリーズの方を貸されてしまい、それでも彼の作品を一度も読んだことがなかったので、仕方なし、それ「魍魎の匣」を読む(「姑獲鳥の夏」はビデオで観ていた)。
 乱歩の世界、ホームズ対ワトソンのやりとり、怪しい登場人物の系図、どれも良く出来てると思ったが、クリスティ、シムノンのような軽いミステリーが好きな身としては、神道等に関しての京極堂の長々とした詭弁的説明に付き合うのが大変だった。

 
おてんばキクちゃん巴里に生きる チェルビ菊枝
 存在は知っていたが、好きな100円本でやっと出会えたので嬉しい。戦中の巴里に留まったのみならず、戦後初めて一人でサイゴン香港経由で日本に戻り、さらに翌年初めてビザを申請し上海香港経由で渡仏した女性。
 フランス生活記ではなく、戦争体験談、冒険物語としてはらはらしながら一気に読んだ。後のご主人ピエール氏の白系ロシア、没落貴族的人生の紆余曲折も、同時に興味深かった。
 カソリック系の女学校時代の話や、香港で2度、導かれて泊まった修道院の箇所など、少し須賀敦子さんを思い出した。


 先週のBSの番組、週刊ブックレビューでインタビューに出ていて、なんてチャーミングなオバさんなんだろう、と興味を持っていたら、受賞作の載った文藝春秋が元バイト先のカフェに置いてあったので、マスターに頼んで貸してもらい、その日のうちに読む。
 楊逸「時が滲む朝」
 最初の方は登場人物が物語りを形作っていて面白く読んだが、暴行事件の後くらいから物語の主導権が作者になってしまって、ちょっと物足りなかった。日本語がおかしい箇所のいくつかは、担当編集者の責任なのではないかしらん??
 羊肉泡膜(ホントは食辺)の膜をちぎる順番を兄弟で争う?ところ、あれを読んでどれだけの人が理解することが出来るだろう?英露と甘先生の同棲も、中国ドラマちっくな展開かな~、と少し思った。
 物語より、作者自身、とそのインタビューのが面白いのは、彼女とその家族の歩んできた人生の道を考えれば、仕方がないことなのかな?
 この2倍くらいの長さの作品だったら、もっと良い本になったろうに。

 
 コレクションとして、100円本を3冊。いつ読むかは不明。
 知的経験のすすめ 開高健
 橋上幻像 堀田善衛 
 幻想薔薇都市 加藤周一(連作の最初が行ったことのあるエクス・アン・プロヴァンスが舞台だったので、それだけ読む。分かったのは、愛ではなく、旅する男と都市の物語であるということ。)
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by souslecieldetokyo | 2008-10-09 02:09 | 古本